それぞれが出来る事を
こんばんは!
今日、仕事の合間の休憩中に何気なくTVを見ていると、ALSという難病を抱えながら生きている人を特集していました。
少し前に、ALSを患う女性が2人の医師により(被告の主張によれば安楽死)殺害された事件がありました。
恥ずかしながら、自分はそれまでALSという病気がこの世にある事さえ知りませんでした。
ALSという病気は、初めに出てくる症状により手や足に力が入りにくくなる四肢型と舌や口が動きにくくなる球麻痺型の2パターンに分けられるそうですが、今回TVで見たのは、四肢型の人の話しでした。
彼女はALSを患う前は、カフェでバリスタをしていました。海外の大会でも活躍していた程の腕前で、仕事に誇りをもっていました。そんな充実した日々の中、その瞬間は突然訪れました。 急に手に力が入らなくなり、お客様の前でカップを落としてしまったのです。 ALSは進行する病気なので、それに伴い徐々に全身の筋肉が痩せて力が入らなくなり、歩く事さえ難しくなってしまい、寝たきりになってしまいました。 この病気の残酷なところは、奪うのは運動神経のみで、脳や五感は、鮮明にいきているのです。
想像出来ますか?
突然体の自由が奪われて、介護無しでは生活出来ない体になったのに、頭や感覚は鮮明で…そんな状況で、もし自分がそうなってしまったなら、何を思い、何を考え、どう生きていこうとするだろう。
ただただ自分の運命を呪い、ひたすら無気力でいるのかもしれません。
そんな絶望の中、彼女は夢を見付けました。それは再び、バリスタとして客様の前に立つことです。
彼女の夢が叶って欲しいと思いました。でも、どうやって…
それを可能にしたのが、遠隔で操作できる『オリヒメ』と2本の腕を持つ『バリスタロボ』です。
その2体の力を借りて、彼女はもう一度バリスタになるという夢を手に入れました。
彼女は言っていました「オリヒメと出会って出来る事が増えてきた。世界がグッと広がりました」「体が動かなくても働きたい」と。
働く動機は人それぞれだけど、自分が働く理由は多分、誰かの役に立っている、必要とされている、という実感が欲しいからです。
だから、「体が動かなくても働きたい」という彼女の気持ちが凄く分かります。
でも、体が動かない状況で、夢が持てる人は、一体どれくらいいるのだろう。
自分がもし彼女と同じ状況になったら、未来を諦めずにいられただろうか。
自分が大変な目に合っているのに、再び誰かの役に立ちたいなどと思えるだろうか。
ロボットの開発した企業の代表者が言っていました。
「体を動かせなくなったら、誰も憧れを設定しなくなる。寝たきりになった先に何もない…そんな社会にしたくない」
寝たきりになった先なんて、考えた事もありませんでした。
どうやら、自分から見えている世界は、かなりちっぽけです。
ちっぽけなんですが それでいいと思います。
身の丈を超える世界なんて自分には見えないし、自分の出来る範囲で、自分の出来る事をコツコツやっていく事しか出来ません。 そして、そのちっぽけな視界から見える誰かの役に立つ事は、その世界を見ている自分にしか出来ない事だとも思います。
だから、それぞれがそれぞれの場所でそれぞれが出来る事をする。
そうすることで、世界は回っているのだと思います。
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