弱みの裏側
親の立場からしたら、周りの評価を気にしない子どもというのは、とても心配になるのでしょう。 先日あるお母さんからこんな相談を受けました。
『うちの子、あまり競争心が無くて、誰になんて言われても、勝っても負けても涼しい顔をしていて、自分が気乗りしなければ、絶対にやろうとしないんです。なんだか心配で…』こんなお話しでした。
そういう自分も、実は小さい頃から周りの評価は気にならず、ひたすらマイペースでした。 例えば、小学校のマラソン大会も、なんとなく3位くらいだったのは覚えていますが、誰が1位で誰が2位だったのかも少しも覚えてなくて、1位になろうなんて、微塵も思いませんでした。
これを聞くと、いやいや上位にいたからあんまり気にしていないんじゃないかと思うかもしれませんが、全てにおいてそうでした。
理科の電気工学の分野は滅茶苦茶出来たそうですが、社会なんて全く興味を持てずに100点満点のテストで一桁の点数を取ることなんてザラでした。
自分にとって、勝ち負けや結果なんてまるで意味なんてなくて、それよりも興味を持てるか持てないかでしか無かったです。 つまり、勝つために、結果を出すために努力をするのではなくて、興味を持てたか持てないかが、全て結果に反映されるだけでした。
確かに、成績にバラツキはかなりあったし、変にIQが高かったせいで、努力が足りないと先生から言われた事もあったようです。 多分、自分は、大人からすれば、コントロールがしにくい歯がゆい存在だったのだと思います。
大人になって、こうして振り返ってみても、別に何の後悔もありません。 自分の生まれ持った特性への引け目も微塵もありません。
周りの評価を気にしないという事は、確かに伸びる原動力にはなるでしょう。
でも、今の自分の強みは、失敗を恐れず何事にもチャレンジして得てきた数々の経験と今もなお失っていないチャレンジ精神です。 そして、そのチャレンジ精神の根底にある失敗を恐れない心は、周りの評価をあまり気にしないという性格にもよるものです。 だから、周りの評価を気にしないのも案外有りじゃないかななんて思っています。
つまり、どんな個性も強みになりえるのです。
ただ、自分は親になった経験はないので、この言葉をまっすぐに伝えてもいいのかと、少し躊躇してしまいました。
とはいえ、その子にとっての正解は、その子の中にしかないので、これからも関わっていく中で、注意深く観察し、その子の本質に目を向けようと思います。
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