原点

昨日は栄の建築現場にて、荷揚げなる作業を行いました。

荷揚げとは建築で使用する材料を道路に停めてあるトラックから現場まで運び入れる作業の事を言います。

その日は、厨房を作る為に170丁のブロックと60袋の砂と27袋のセメントを二階の現場に運び入れました。

物量としては、トラック2台に目一杯積んであると思って下さい。

勿論階段などありません。                                            人が抱えて運べる量はたかが知れていて、もう何度も何度も階段を上り下りしながら、本当に少しずつ物量が減っていくトラックの荷台を確認しながら、あと何回往復したらトラックは空っぽになるのかなんて、数えるのも面倒になるくらい気が遠くなる作業です。

でも、実は自分はこの作業が嫌いではありません。                               ほんの少しずつでも、地道に作業を進めて行けばいつかは終わりが来るという事を、何度も何度も経験して感覚が覚えているからです。                                             大げさに、今の聞こえるかもしれませんが、自分の生き方の核となるようなものをこの作業から学んだとすら思っています。                                            この作業や感じる感覚から学べるもの、それは、ひとつひとつがどんなに小さく地道な物でも、続ければいつかは終わるという事を肌で感じる事です。                                逆に言えば、その小さなひとつを蔑ろにするという事は、何事も成し遂げる事は出来ないという事なのだと思います。                                                  『そんなことはない。自分は要領よくやってきた』という人がいるかもしれません。               そんな人がいるとするなら、それはきっと、要領よくやっている人の代わりにコツコツ積み上げてくれている人がいるのだという事に気付いていないからだと思います。                              一概には言えないのかもしれないのだけれど、『自分は要領がいい』のだと自負している人ほど、周りが見えて居なくて、独りよがりに思えて仕方ありません。                               周りを上手く動かして成果を出している人でも、ちゃんと見えている人は、いつも感謝を忘れないから。                                                  

自分がこのブログを通してひとつひとつやコツコツや地道が大切だと飽きる程言ってきたと思いますが、それが大切にしたい生き方だからです。

だから、荷揚げという作業は、自分にとっては、ただ単に疲れる作業なんかではなく、原点に立ち返り、初心に戻ることが出来る作業なのです。