信じるという事は力になる
先日、ある方から、ブログの感想と暖かいお言葉を頂きました。
今日は、その方にどうしても伝えたい事があり、自分が指導者として関わっていた、ある生徒のお話をします。その生徒と出会ったのは、彼が保育園の年中組の時でした。 その当時、彼は発達障がいの中でも運動能力に障がいを抱えていたので、足を揃えてジャンプをする所謂グージャンプにも苦労しており、跳び箱や鉄棒、縄跳び等、その道のりは遠く感じたものでした。
お医者さんには、「苦手な事を無理やりやらせると鬱になるから、あんまり運動はさせない方がいい」と言われていたのですが、彼のお母さんは、諦める事を選択しませんでした。 それは、発達障がいへの認めたくないという拒否反応では全然なくて、彼の特性と真剣に向き合い、一緒に戦うという覚悟でした。 その覚悟が伝わってきたので、自分もその気持ちを受け止めようと思いました。
とはいえ、本人にとっては体操の時間、話を聞くのも、きっと苦痛だったに違いありません。 苦手な事で、集中力を継続させるのは艱難で、自分にもそれがよく分かっていたので、 本人の様子を注意深く見て、出来ないことより、一歩でも前に進んだ所を一つでも多く拾って、本人や彼のお母さんに伝える事を心掛けました。 彼の頑張りもさることながら、彼のお母さんもまた、彼に寄り添い、喧嘩したり一緒に喜んだりしながら、自分が関わっていた2年間という時間の中で、たくさんの奇跡と笑顔を見せてくれました。
お医者さんが驚く程たくさんの事が出来るようになりました。 実を言うと、驚かされたのはお医者さんだけではありません。 恥ずかしながら、自分も、この親子から可能性を諦めないという事を学びました。
自分自身も何だかんだで、3人の心療内科の医師と出会いましたが、それぞれいう事が異なりました。
彼の訪れた医師は、たまたま苦手な事をやらせるより、その子のストレスがかからないようにという方針だっただけで、他の医師は同じ方針を取るとは限りません。 だから、周りの言葉に耳を傾けるのも大切ですが、納得出来なければとことん色んな人と出会い、色々な話を聞いて欲しいと思います。
そして、一番大切なのは、その子本人と心から向き合い、寄り添う事です。 間違っても、本人を大人の思い通りにコントロールしようとする事はあってはならないことですが、その子を信じて、共に戦う覚悟をした上での提案なら、きっと子どもの心に届くでしょうし、その提案に対して自分の意思が別の所にあるとすれば、耳を傾ければきっと話をしてくれると思います。
まだまだ人生経験が浅いので、言葉にするのが難しいかもしれません。 話が要領を得なくて、分からないこともあるかもしれません。 でも、言葉に出来ないからといって、間違っているわけじゃないんです。 分からないからと、こちらがいら立ってしまうと、伝えることを諦めてしまいます。
でも、そうは言っても、親と子というものは、距離が近すぎて、一部しか見えなくなってしまう事があります。 どうしても熱くなりすぎてしまいます。 良いとか悪いとかじゃなくて、きっとそれが親子というものなのでしょう。
自分は指導者という立場で、少し離れた距離感で客観的に見ることが出来ると思います。 どちらが正しい、ではなくて、色んな立場、色んな角度、色んな距離感で、その子と向き合っていく事が大切なのだと思います。
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