苦手な物から

こんばんは!

昨日は、自分が過去に関わっていた、運動機能に障がいを持つ生徒の話しをしました。                            久しぶりに彼の事を思い出しながら、同時に一歳上の姉の事を思い出していました。

自分の姉は、びっくりするくらい運動が出来ません。                                           どのくらい出来なかというと…

どういう流れで姉がボールを蹴ろうとしたのか、その経緯までは、覚えていませんが、とにかく姉はボールを蹴ろうとして、ボールに走り寄り、右足を思いっきりボールめがけて足を振り下ろしました。                         姉の足は、ボールには当たらず、思いっきり豪快な空振りをして、その反動でひっくり返り、後頭部から落ちていきました。                                                         その後のことは、派手に泣いている姉に、何て声を掛けていいか分からず、呆然としてしまった記憶しかありません。                                               まるで漫画のようなワンシーンでした。

他にも、保育園で取り組んでいた逆上がりは誰よりも時間を掛けて習得していましたし、竹馬はどんなに練習をしても、一番低い高さでしかのれず、かけっこも勝てなかったようです。                          片や自分は、小学校の頃一部の友人から子ザルと呼ばれるほどの野生児で、運動に苦労したことはありません。逆上がりは見様見真似で年少組の時に出来ていたみたいですし、竹馬も残ってる写真では、一番上の高さまで上げてのっていたようです。

姉の頑張りは、正直全然覚えていないけど、昔姉が「見て見て!速く走る方法を編み出した!」と言って、左右の腕をクロールのように回転させながら走って見せてくれたことを覚えています。                          勿論、こんな走り方で速く走れるわけはありません(笑)。                        まったく見当違いの努力です(笑)。

                                                     でも、今思い返せば、運動が苦手なはずのたたった4歳か5歳の子どもが、出来ない事から逃げず、自分なりの努力で苦手を克服しようとしていたのは、並大抵の事じゃないと思います。                         これは、凄い事なんです。                                                     出来ない事に対して、(母はあんまり強制的にはやらせなかったので)誰に言われた訳でもなく自分の意思で粘り強くトライし続けるなんて、中々出来る事ではありません。                                  年少組で逆上がりが出来たとか、高い竹馬にのっていたとか、そんな事よりも遥かに価値のある、姉の強みなんだと、自分にはそう思えてなりません。                                                         決して真似なんか出来ません。

自分が子どもの頃は、発達障がいという概念はあまり知られてなくて、診断する機会などなかったので、姉の運動機能に問題があったかどうか、それは分かりません。                                      ただ一つ確実に言えることは、姉はシンプルにびっくりするくらい運動が出来ませんでした。                        めちゃくちゃ言ってますが、愛のあるディスリなので、お許し下さい(笑)。                              

そんな姉は、42歳になった今、一念発起して看護師を目指し、看護学校で勉強中です。                          自分でゴールを決めて、そこに行きつくまでの道のりを自分なりに模索して、今の道を選んだようです。                     

何事にも前向きな、姉らしい挑戦です。                                                          

苦手な事は、ただ単に短所というだけではなく、姉でいう所のいい意味での諦めの悪さとか、粘り強さとか、そんな最高の強みを引き出してくれる起爆剤にもなるのかもしれませんね。