その子の本質はなにか。

当たり前の事ですが、子どもにもそれぞれ性格があります。

スポーツ指導に限っての事ではないと思うのですが、負けず嫌いな子の方が競争心に火をつけやすく、指導者にとっては、結果を出しやすい生徒という事になります。                                   だから、「負けず嫌いは良い事」「悔し涙を流すくらい悔しがりなさい」そんな言葉で焚きつけ、負けず嫌いが正解のように誘導することもあります。

考えてみると…果たして、本当にそうでしょうか。                                        稀に、勝ち負けを目標にしなくても、基本に忠実にコツコツと日々技術を積み上げて、伸びる子どももいます。 ただ、勝ちに執着心が無いからか、迫力みたいなものがありません。                               その様は指導者の視点から見れば、なんともじれったいことこの上なくて、ついつい「本気になれよ!」と思ってしまいます。

でも、大人になって、周りを見てみると、勝ち負けに晒されてきた幼少時代を過ごした人は、勝つことでしか自信を得る事を知りません。                                              だから、自信を得るために、また、自分が上にいく為に、人に勝手に優劣を付け、踏み台にしようとします。      

それが、自分だけの勝手なモノサシが基準になっている事にすら気付きません。                        だから、負けず嫌いな子どもも、そうでない子どもも、それぞれが生まれ持った個性だし、大人の勝手な都合で、コントロールしていいわけがありません。

例え良かれと思って誘導していたとしても、その子の持つ本質を無視してしまえば、その子を否定することに繋がります。

そういう自分も、勝敗には無頓着で、人からの評価にも興味がありません。                              マイペースに、でも、自分の譲れないものはちゃんと持っています。                     例え自分の苦手な物にぶつかっても、それが原因で自信を失ったことはありません。                また、負ける事・出来ない事に対しての恐怖心が無いので、1度ダメでも何度でもトライします。

まぁ世に言う成功者ではないかもしれませんが、それなりに楽しく幸せな毎日です。

だから、その子にとって未来に繋がる指導をしようと思ったら、自分が思い描く成功ではなく、その子の本質に沿った指導が出来るように、心掛けています。